寺報82号発行(春のお彼岸)

西楽寺寺報82号を発行いたしました。西楽寺では年に4回寺報を発行し、法座案内、法話、仏事のイロハ、Q&Aなどを発信しています。


3月の春の彼岸法要は3月24日(水)13時からです。

「彼岸」とは季節を表す言葉ではなく、仏さまの悟りの世界であるお浄土を意味します。そして、私たちの住むこの迷いの世界を「此岸(しがん)」といいます。春と秋のお彼岸とは、迷いの世界の「此岸」から阿弥陀如来の極楽浄土「彼岸」へ到る道を尋ねていく日本独自の仏教行事です。

お釈迦様は、『阿弥陀経』というお経で、

 「これより西方、十万億の仏土を過ぎて世界あり、名けて極楽といふ」

と、阿弥陀さまの極楽浄土(彼岸)の方角を西と表されました。これはあくまで喩えであって、実際に西に進んでいくとお浄土があるということではありません。お釈迦様は私たちの命終わっていく姿と、太陽が西に沈んでいく様子を重ね合わせて、このいのちが死んで終わっていくのではなく、阿弥陀如来のお浄土という世界へ生まれていくいのちであるということをお示しくださいました。この此岸という迷いの世界で現に悩み苦しみを抱えて生きる私たちに向けて、阿弥陀如来は「必ず救う」と「南無阿弥陀仏(なもあみだぶつ)」の喚び声となって、私たちのいのちに絶えず届いていくださっているのです。

先人の方々は春と秋の季節に、真西に沈む太陽を見ながら極楽浄土に想いをはせ、阿弥陀如来の救いの間違いないことを、彼岸法要という仏事をとおして味わっていかれたのです。お彼岸の季節には、私たちもいのちの帰っていく場所、お浄土(彼岸)をともにお寺で聞かせていただきましょう。


浄土真宗本願寺派 照谷山 西楽寺

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